2回目の個展を終えました @APR.27 – MAY. 5 2024

Yuko

実は、ゴールデンウィークに個展を開催していました!

制作に集中していて、すっかりご無沙汰の更新になってしまいましたが、先週のゴールデンウィーク(2024年)に2度目の個展を終えたところです。

2020年に絵の仕事で独立をしてからは 絵の仕事を第一にして駆け抜けてきました。

(そのためブログの更新がほとんどできませんでした)

特に2度目のアーティスト・イン・レジデンスに参加したあたりから目まぐるしく環境が変化し、とにかく全力でアクセルを踏み続け。

今ちょうどひと息、道端に一時停車しながらですが、まずは個展の報告をしたいなぁと。

ここではまず個展の様子のシェアと、今回の個展で確信した《絵を描く理由》《展示をやる意味》について書いていきますね。


CONTENTS

個展 Drawing Colours – 通りすがりに出逢えてよかった- の様子

今回のテーマにしたのは、《色》です。

自然に近い場所に制作環境を移してから、標高800mから900mにもなるこの土地で感じていたのは色でした。

スケッチしても、散歩をしても、写真を撮るにも、「あぁ、綺麗だな」と私が惹かれていたのは色でした。

移住前に旅をしている《訪問者》の目線だからではなく、《生活者》に変わってもそうでした。

ご近所さんに通りすがりでいただいたお裾分けのカボチャの色が綺麗で、スケッチから色彩へ展開したものが、今回の展示のメインビジュアル(DMに使っているもの)になっています。

個展会場は長野県、のどかな農村に異空間のように存在しているホワイトキューブの不思議なギャラリー。

この村へ移住した写真家の方がつくりあげたスペースで、天窓から差し込む光がとても気持ちのいい空間です。

天窓の光を活かして布に描いた山の絵に当たるように設営しました。

前回、古民家で行った個展で直面した課題、「壁面と絵の関係性」に困ることなく展示空間をつくれたことは本当によかったです。

Artist Statement

通りすがりの散歩道で
いろんな色を見つけては 「綺麗だなぁ」と
しゃがみこんで観察したくなる。

目を奪われ、対象を凝視しているうちに
気持ちはどこか 宙に浮いていく。
その瞬間がとても好きで 心地がいいものです。

色に惹かれて、
小さな虫か あるいは鳥にでも なれそうな気がするのです。

展示の様子

ご挨拶、Statementのパネルを配置し、作品は季節の流れで展示していました。

初夏の山並みのスケッチからはじまり、秋の収穫の季節、冷たい冬で見つけた色、そして初春の芽吹きあたりまでです。

会場までのアクセスは基本的に車のみ。

見通しのいい畑道がどこまでも広がっているのどかな景色です。

新緑のゴールデンウィークというタイミングで ちょうど山も色づき、畑に植え付けされた小さい苗がどこまでも並び、豊かな緑のグラデーションの景色に小さな花が点々と咲いています。

「ここに来るまでに見た景色と作品がつながっている」

「田舎の中に真っ白い異空間な気もするけど、不思議と環境と馴染んでいる」

「書かれていた文章の気持ちがよくわかる」

そんな感想を多くいただきました。

とてもアクセスは不便な立地でありながらも、知り合い以外の方もたくさん来てくれて、新しい出逢いも多く、旅立つ作品も多く、2回目の個展は本当に充実した時間でした。

Yuko

❇︎展示の写真はインスタでたくさんアップしています

2度目の個展で確信した、わたしが絵を描く理由

2度目の個展でよくわかりました。

というか確信しました。自分が絵を描いて人にみせている理由。

人と分かり合いたいんだ、と。

完全にでなくても、和やかな意思疎通というのでしょうか。それって平和なことだから。

展示会場でお話ししていると「あっ。伝わってる…」 という感覚が確かにあるんです。

絵を見た感想を言葉にしてくれた時とか、言葉にはっきりしていなくても何となくの態度で、この人には伝わっている、という感覚がある。

自分が感じた気持ちが自分以外の人と共鳴してる、表面じゃなくて内面の《感覚》が伝わっている。

そう思える時があります。

人によって言葉の選び方が違っても、それはなんとなくわかるんです。

わかる瞬間が胸の底からじわ〜とくるんですよね。

平和で穏やかな感情と、やっててよかったという喜びが、体中に満たされていく感覚が。

その瞬間のために描いて、わざわざ人にみせている気がします。

絵が描きたいだけなら、わざわざ人にみせなくてもいいわけです。

見せる方法も今ではインターネット上で見せる手段はたくさんあるし、人と繋がることもできるのに自分が求めている方法とどうちがうのか?

それは、直接顔をみて言葉を交わす時の空気すべてで伝え合っている。と信じているからだと思います。

「あわいの力」という本の説明でわかりやすかったのが、内面は こころ/おもひ/しん と3層の深さに分かれていて、言葉や文字がなくても伝わる何かが《以心伝心》なんだと。

描写がとても繊細に書かれているのでおすすめの本です。

伝わることって嬉しいし、平和だし。

わたしにとって絵を描くことは 和やかに意思疎通をするための方法のひとつとして、無理がなくて心地いいのです。

そんな小さな意思疎通が巡りめぐって、自然に対する共存感覚というか、世界を思いやる気持ちになれば… とささやかに願っています。

と、少し気恥ずかしいですが、これは文章だから残せるのかもしれません。

面と向かって言うにはすごく勇気がいるし、たぶんスムーズに言葉が出てこなくて文面での伝わり方とまた違うと思うし。

人に伝えるってむずかしい。だからこそ伝わったと実感できたらとても嬉しい

個展後の感想

描いている最中、特に期限があってゴールに向かっている最中だと「一体だれがみてくれるんだろうか… 」「やってて意味があるんだろうか…」なんて思ったりします。

できない自分に絶望もするし、(制作しながらも日常生活があるので)日々の小さいことに苛立ったりもして、小さい自分に嫌気がさすこともあります。

でも、こうして振り返って自分を再認識することで、また困ったときは思い出しながら進めるのかなと。

展示を見にきてくれた親子さん

今回の個展では、昨年オープンしたこども向けのアトリエの子がたくさん来てくれました。入会枠が空くのを楽しみに待ってくれているご家族も。

気軽に「ちょっと見てみよ〜♪」というノリの子、近所だから遊びに来た〜っという子もいたし、将来絵の仕事をしたいという真剣な子も何人かいました。

この子たちは上の話とはまた違う角度でみてくれているんだろうな〜と思いつつ、かつて自分がこどもの時に「どうやって描いているんだろう?ここは何を使ったらこんな風に描けるの?」とじっと壁を見つめていた頃を思い出しました。

30代に入ってある時から「自分だけのために頑張るの飽きたな…」という感覚があって、少しづつ視点も変化していきました。

今、こども達と関わり合いながら ふと 「この子達にとって何か刺激になっていたらいいなぁ〜」と思う瞬間があります。

少しづつ、今の自分は何のためにこれをやっているのか?も変わっていくのもおもしろいものです。

よかったらシェアしてね!
CONTENTS