今の学問が出した答えは、あくまでも通過点
いつも何か答えを求めている。
好奇心、その先にある答え。
悩みがあって、何かしらのかたちで答えを求めるのが人というもの。
パソコンとかスマホのおかげですごく簡単になってるけど、見つけた答えを終点にしない方が、いろんな意味でいいと思う。
それが全てじゃないって、絶対じゃない、と思える方が気が楽さ。
それに世間が絶対正しいと思っていることを鵜呑みにしないでクエスチョンを持つことも、とっても大事。
実験や研究でちゃんとして出た結果だって、あくまでも今日この日の時点での答えでしょ?
色で解く、ふしぎな言語学
色名や生き物の進化論がどんだけ紆余曲折して来たかを知って、「答えは答えじゃない」ってよく分かったよ。
たくさんある色の名前。
その語彙が増えていった理由は、人間の目が徐々にいろんな色を見えるようになって色名が生まれたのだ。
目が古代から現代にかけて時間をかけて進化したからだ!
そういう色覚の進化論が叫ばれていた原因は、
白黒→赤→黄色→緑→青 と、
世界中の文献で不思議にも(ほぼ)同じ順番で色を示す言葉が増えていった、という事実だった。
詳しく書いたこちらの記事 :
スミレ色の羊が存在していた?色覚の進化論がおもしろい
ダーウィン以前の生物学は・・・
言語学の世界でヒトの進化に足を踏み入れた当時、
進化論はかなりホットな話題なようで。
誰もが知っているダーウィンが出てきたのもこのあたり。
が、そのダーウィン以前の生物学では、
今の時代では当たり前の事実とは真逆のことが信じられてた。
生きている間に起きた肉体的変化はこどもに引き継がれない
例えば、毎日筋トレしてバーベルを上げ続けたとしても、筋肉ムキムキの息子が産まれるわけじゃない。
受験勉強のせいでベンゾウさん顔負けのぶ厚いメガネになっても、その視力の悪さは次世代に引き継がれることにはならない。
これは今のわたしたちには簡単に理解できる。
生きている間の訓練が次世代につながらないなら、
色覚の進化論にもクエスチョンマークが生まれるよね?
でもでも、そこに至るまでは少し時間がかかるんだな。
キリンの首が長いのはなぜ?
キリンの首が長い理由、
それは高い枝に向かってからだの伸ばす癖があり、
その癖が全キリンに広まり、
それを何世代にも渡って続けた結果、
ついに地上6mにも達した。
by 博物学者 ラマルク, 1802
色覚の進化論もこれと同じ考え方よね。
見えてなかったものが、徐々に見えていって、
その視覚能力は世代を超えて優れた結果、今に至る。
そのラマルクから50年が経ち・・・
ダーウィンがきた!
(正確にはダーウィンとウォレスという人の連名なんだけどね)
新しい説は、祖先のある一部が偶然にも他のキリンより首が長く生まれて、
エサが食べすいとか、生存・交尾などの面で首が短いキリンより得をした。
いざ生存競争になったとき、首の長いキリンは生き残ることができた。
その遺伝子が引き継がれていった。
ここで “徐々に” 説は否定されつつも、
なぜか “怪我などの損傷は引き継がれる” と
ダーウィンも生まれた後の肉体変化の遺伝を一部肯定していた。
それも30年ほど後の1887年、
ヴァイスマンがねずみの実験で否定するまで信じられていた。
そして過去のラマルク説は今ではおとぎ話扱い。
だってユダヤ人男性は少なくとも100世代にわたって割礼の習慣を守っているはずだけど、その肉体変化は遺伝することなく、また切除しなければならないからね。
人生の選択も“正しい”の永久保証はない
いくらそれが正しく聞こえても、多くの人が信じていても、
人の出した答えなんてその時点での1つの考えに過ぎない。
人生に置き換えてみても同じことさ。
大学に行かなければ大きな会社には入れない、ずっと大企業で働き続ければ安心だ。
確かにそのスタンダードな道もあるよね。
わたしの親もそう言う。
でも親とは全くの反対の意見を持っていたから、
わたしは大学へは行かず、自分のやりたいと思うもので専門学校へ行った。
その後、繰り返した転職はぜーんぶ異業種。
(今は4社目)
そのあいだに、ニート生活と海外留学をはさんでも、
一応平均年収に毛が生えたくらいの収入はあって、とくに不自由なく一人暮らしができてるよ。
あっちへこっちへ変わり過ぎじゃない?って
途中、見てて呆れる人もいた気がする。たぶん。
その時は、海外に行きたい!って、自分の意思があったから行っただけなんだな。
今は、一定の収入が必要な理由があるから、それを実現するための行動をしてる。
その都度 自分のペースで、自分なりの答えを出して行動するのが大事なんだと今でも思う。
答えをもらうのは安心すること。
でも常にその答えは変わるし、変えていいんじゃないかな。